サービス班
サービス班では,スマートシステムやIoT (Internet of Things)をソフトウェア工学のエッセンスを活用しながら,うまく設計・実装する研究をしています.具体的には,サービス指向アーキテクチャ,マイクロサービスアーキテクチャを用いて,物理世界の様々なモノ(センサ,家電,ロボット,バーチャルエージェント等)をWebサービス化し,クラウド上の計算資源とつなげることで,複雑な大規模異種分散システムを,マイクロサービスの結合体として迅速に実装します.
サービス指向スマートシステムの成果物として,センサや家電をサービスとして連携させるサービス指向スマートホームCS27HNS,宅内環境センシングを行う自律センサボックス,コンピュータビジョンによる宅内コンテキスト認識,バーチャルエージェント対話によるマイクロサービス連携等があげられます.ジェロンテクノロジーの成果では,「こころ」センシングを活用した在宅高齢者のための自助・互助支援システム,困り事共有サービスCompass4SL, 認知症者に向けた宅内音声提示システムALPS等があります.リアルワールドデータを活用したスマートサービスでは,個人適応型防犯情報サービスPRISM,救急動態可視化サービスAmbulance Reviewer,熱中症搬送者予測アプリHeat Stroke Prediction等があります.
研究内容
アルゴリズム班
アルゴリズム班では,離散的な構造を持つ最適化問題について,高速かつ質の良い解が得られる解法を設計することを目指します.対象とする問題を,グラフと呼ばれている点(頂点と呼びます)と線(辺と呼びます)からなる数学的な構造によって表現し,様々な手法を駆使して問題の解決を試みます.研究を進める上ではグラフを取り扱うための様々な知識が必要となるため,研究時間の多くを基本的なアルゴリズムやデータ構造,離散数学などの基礎的な勉強に費やしています.
アルゴリズム班の主な成果は,(1)構造的を持つ情報を平面上に見やすく表示するアルゴリズム,(2) 平面上に置かれたオブジェクトについて,それらに付随する情報を適切な位置で表示するアルゴリズム, (3) 幾何的な構造を持つ情報を高速に検索するためのデータ構造, (4) 基本的な組合せ最適化問題に対する厳密解法や発見的解法等があります.中でも(4)については世界トップレベルの成果を出しています.最大頂点重みクリークについては以前の世界最速アルゴリズムより数十倍高速なものを提案し,また,最大辺重みクリークについても現時点では我々の提案法が世界最速であることを示しました.