環境センシングデータに基づく在宅高齢者の生活習慣の分析と可視化(田坂)
2023年3月29日 最終更新日時 :2023年3月29日
少子高齢化社会の到来
日本は少子高齢化社会に突入しており、在宅高齢者や独居率の増加が問題となっています。
また在宅高齢者の生活習慣は乱れやすく、IoTを利用した生活習慣の分析や健康への対策が求められています。
先行研究とその課題
私たちの研究グループでは、傾聴バーチャルエージェント(メイちゃん)とセンサーボックスを利用した「暮らしとこころの見守り」をテーマに日々研究を行っています。
先行研究では、LINEを使ってメイちゃんを利用したり、対話ログを検索して振り返ることが可能になりました。
しかし、現状のセンサーボックスでは生データのみを記録・表示するにとどまっており、ライフログ等を利用した長期的な分析が十分にできないという課題がありました。
また、生活習慣の変化と健康に与える影響についての関連性についても十分に調べられていませんでした。
目的とキーアイデア
これらの課題を解決するために、本研究では、
宅内環境センシングデータを活用し、在宅高齢者の長期的な生活習慣を分析・可視化することで、健康や生活の質との関連について調べる
ことを目的とします。
そして、これらの目的を実現させるためのキーアイデアとして
- 生活習慣の形成の中で、起床・就寝時刻は大きな要素の一つであること
- 起床・就寝時刻は日光や室内灯などの照度の変化で導出できること
を利用します。
アプローチ
本研究では以下のアプローチを提案しました。
A1:1日の起床・就寝時刻の導出
A1ではセンサーボックスから得られたセンシングデータを基に、5分ごとの移動平均をとり、照度を基準に起床・就寝時刻を導出しました。
A2:長期間の起床・就寝時刻の変化
A2では、A1で導出した起床・就寝時刻を長期間に渡りグラフに可視化しました。
A3 : 生活習慣の変化と健康との関連
A3では、ライフログとの比較を行い、生活習慣(起床・就寝時刻)の変化と健康との関連について調べました。
まとめ
本研究の結果より、生活習慣と健康には強い関連性がある事が分かりました。
今後はさらに多角的な健康の指標を導入し、さらに在宅高齢者に役立つサービス開発を行なっていきたいと思います。