仮想エージェントとビデオ会議サービスを連携した在宅高齢者の会話機会の創出(岡本)
少子高齢化と新型コロナウイルス
現在,日本では高齢者の割合が増加して若年者の割合が減少する少子高齢化社会になっています.また65歳以上の単身世帯が増加していて,社会的に孤立している人が多くなっています.
また,新型コロナウイルスの感染症拡大により「コロナフレイル」と呼ばれる体を動かさない,食事が偏るといった生活が続き,身体や認知機能に影響が出る高齢者が増加しています.この「コロナフレイル」の高齢者の増加により外出機会が減少し,会話機会が減少している高齢者が増えています.
そこで,家族や介護者の負担をかけず,独居高齢者の会話機会をどう増やすかが課題として挙げられます.
先行研究とその課題
私たちの研究グループでは、仮想エージェントを用いたケアに関する研究開発に取り組んできました.仮想エージェントが高齢者の話を傾聴して会話機会を増やすことが目的です.
しかし、従来研究の仮想エージェントは,自助支援をを主な目的としており,互助支援につながる家族や友人との対話機会を増やすことはないため,人と人とをつなげるシステムが必要です.
本研究の目的は,在宅高齢者がデジタルデバイスの複雑な操作をせずに離れた友人や家族との会話機会を増やすようにします.
目的とアプローチ
この目的を達成するため,先行研究で開発した仮想エージェント傾聴サービスを拡張し,在宅高齢者が仮想エージェント傾聴サービスを通して,友人や家族との会話をできるようにすることで,会話機会を増加させるサービス「らくらくビデオチャットサービス」を提案・実装します.
サービスの実装
本研究の目的を果たすために提案手法では以下の5つの機能を実装します.