食物アレルギーを持つ個人に寄り添うアレルギー情報登録連携サービスの研究(中島)

背景

 特定の物質に対し過剰な免疫反応が出る「アレルギー疾患」に悩まされる患者は世界中にいますが、その原因物質(アレルゲン)の種類や症状の重さは多種多様です。
 ここで食物アレルギーに注目してみると、患者が飲食店等で食事を行う際には、メニューの原材料表示といった店側の提供するアレルギー情報を自身の症状と照らし合わせて食べられるかどうかを判断しなければなりません。人によってアレルギー症状はさまざまであるため、特に全体向けの表示だけで判断がしづらい場合に関しては従業員とのアレルギー情報の交換が不可欠となります。しかし、従業員側が顧客一人一人の詳細なアレルギー情報を受け取るのには時間や手間がかかるため、丁寧な対応が難しいという問題があります。これを踏まえて、アレルギー情報の交換をより高精度かつ少ない手間で行えるようにすることが現状の課題となっています。

目的とキーアイデア

 本研究は、ユーザーであるアレルギー患者が自身の詳細なアレルギー情報を外部と共有することで、個人のアレルギーに寄り添った精度の高いサービスをより手軽に受けられるようにすることを目的としています。
 そこで私は、ユーザーが登録したアレルギー情報を一元的に管理し、ユーザーの了承のもとでそれらを外部と共有する「アレルギーデータサービス」を提案します。

 
 ユーザーにサービスを提供する外部の第三者は、アレルギーデータサービスに登録された顧客の詳細なアレルギー情報を円滑に受け取ることで、一人一人のアレルギーに寄り添った的確な対応ができるようになります。これにより、双方の利便性や生活の質の向上が期待されます。

提案手法

 アレルギーデータサービスの実装にあたり、ユーザーがアレルギー情報の登録・確認を行い、QRコードを通して飲食店の従業員に表示できるWebアプリを作成しました。

機能A アレルギー情報の登録

反応を起こす物質(アレルゲン)と、それに対する反応を詳細に登録できます。

機能B アレルギー情報の確認

登録情報はメイン画面からいつでも確認できます。

機能C アレルギー情報の表示

QRコードを通して、登録した情報を分かりやすい形式で第三者に向けて表示できます。

実証実験

 作成したアプリについては、ユーザーが十分にアレルギー情報を伝えられるような登録項目や、第三者がパッと見て把握しやすいアレルギー情報の表示形式が特に重要となります。そのため、登録機能と表示機能の2つに関しては、実際に他の方々にアプリを使っていただく実証実験を通して有効性を吟味するとともに、改善を続けております。

今後の展望

 現在新たに、飲食店の従業員側からもメニューのアレルギー情報を登録・提示可能にすることで、アレルギーデータサービスに登録済みの情報と連携してユーザーの食べられるメニューが一目で分かるような機能の追加に取り組んでいます。この機能を用いて、食物アレルギー患者はメニュー選択をより手軽に行えるようになると考えられます。